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BleuCiel(別館)

気の赴くままに

【アイドルマスターSideM】縁は消えることなく【SS】

※彩解散後if/女性P
※要するに何でもあり妄想です
彩、DRAMATIC STARS、プロデューサー



 縁は消えることなく


 かつて315プロダクションには和を全面に推したユニットがあった。そのユニットは多くのファンに惜しまれながら、それぞれの道を歩む。猫柳キリオは再び落語家として客を笑顔にさせる。
「(猫柳さん、きっと驚くでしょうね)」
 袖で待機していたのは、かつてのプロデューサーとユニットの仲間。この日はキリオの創作落語のお披露目会も兼ねていた。彼の提言により、高座のようすは不定期でインターネットを通して生配信される。さまざまな事情で来れない人たちへの配慮だった。
 315プロダクション創設期のユニット『彩』。華村翔真は315プロダクションに残り、清澄九郎と猫柳キリオはかつていた場所へ戻った。メディアに顔を出すことはあるが、315プロダクションのアイドルとしては出ることはない。
 九郎はいたずらっぽい笑みを浮かべる。それは『彩』とともに成長した彼だからできる表情。キリオの視界に入らぬよう息を潜める三人に気づくこともなく、キリオは話し続ける。アイドルとして、ひとりの人間として、学んだことを織り交ぜながら。
 楽しいことばかりではない。初めての喧嘩もした。仲間がいたからこそ、抱いた想いもあった。それを噺家として昇華する。
 キリオの話が終わり、彼はいったんそでに引こうとする。懐かしい影が見え、何度もまばたきをした。
「にゃんと……!?」
「久しぶりね」
「しかと見届けました」
「……今日は配信で見るって言ってたでにゃんす」
「ボーヤ、まだ終わってないわよ」
 キリオははっとする。動揺して、すっかり舞台裏の気分になっていた。普段の彼ならそんなへまはしない。とぼけているように見せて、それも彼の計算のひとつだったりするのだ。キリオの珍しい一面に客は大いに盛り上がる。
 今日の落語の内容は、翔真や九郎、かつてプロダクションでともにした仲間の何人かに何度か途中経過を披露していた。あまりにも現実と乖離している場合は指摘してもらい、噺の完成度をより高めるため。
 やっとの思いで完成した創作落語は、生放送を通じて事務所でもお披露目される。ある人は苦楽をともにした仲間を懐かしみ、ある人は事務所の先輩を尊敬のまなざしで見ていた。
「――お、にゃんすはあいかわらずだな!」
「天道は黙れ」
「お前な~」
「輝さん、薫さん?」
「「…………」」
 あの頃よりも少しだけたくましくなった翼は、もはや一種の不仲芸とも言われている輝と薫の喧嘩を仲裁する。
 生放送にはプロデューサーたちによるドッキリも流れていた。事務所にいる面々は知っている。九郎はドッキリに参加するため、久しぶりに事務所のドアを開いた。面子や設備は変わっているが、雰囲気は変わらない。
 キリオの頭の回転の早さは、同期なら誰もが知っている。彼は客層に合わせて、もっとも適した自分を演じることができる。舞台裏から翔真と九郎が出てきたときの、キリオの反応が完全に素だったことも同期は察した。
 手拍子が場内に響き渡る。本来ならキリオが完全にはけたら鳴り響く、おかわりの合図。キリオは翔真と九郎とアイコンタクトを取った。
『あんこぉるはこれからでにゃんす!』
 そこには落語家としてではなく、アイドルとして――『彩』のひとりとしての猫柳キリオが立っていた。



◆後書き◆
サイコーの日普通に間に合いませんでしたぁ!!!!
セルフワンドロなので色々とお察し下さい。まずナチュラルに解散さすんじゃない。拙者モバマス増刊号のアニバキリオの話が好き侍と申す。
解散しなさそうな担当ユニット乱入アピールチャンス! 翼は今より強くなりました。色んな意味で。事務所内でガチで怒らせたら恐ろしい人ランキングトップ3に入ってそう。


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