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BleuCiel(別館)

二次創作、時々一次創作置き場。イラストも?

【ブルードラゴン】影とヒトと日常と【SS】

※擬人化要素有。
アニメ版ブルードラゴン。二期後。

神々(ノイ)(上位生命体)の遊び



 影とヒトと日常と


 上位生命体のノイによって招集された光の戦士の末裔(デルフィニウムも含む)とアンドロポフは言葉が出なかった。アンドロポフ以外の影が、上位生命体のように人間へと変化した。アンドロポフの影は影のままだ。

「「「!!??」」」
「ちょっとした実験だ。期間は一週間後の夜まで。影としての能力は多少制限させてもらった。監視は入るがこちらから試練を課すようなことはしない。ま、あとは楽しんで、」「これはどういうことだぁ!?」

 さっそくブルードラゴンがノイに凄む。ノイの言う通り、エネルギーが拳に集まらない。普段なら消し炭にしてしまいそうな強力な炎も、今のブルードラゴンからは放たれることはない。ただし体格は結構しっかりしているので、普通に人間としては強そうだが。そんなブルードラゴンの肩を叩くのは人の姿になったフェニックスだった。
 フェニックスはブルードラゴンと同い年に見える。穏やかな女性で喧嘩はとても強そうに見えないが、彼女の笑みが般若のように見えたブルードラゴンは大人しくなった。圧倒的上の立場であるはずのノイですら恐怖心を抱く。

「相変わらずですね、ブルードラゴン」
「フンッ、フェニックスも相変わらずだな」
「(アタシよりスタイル良い……)」

 ブーケはザ・大人の女性となったフェニックスに敗北を覚える。フェニックスの主であるクルックと事の成り行きを見守っていたデルフィニウム組以外が、クルックが成長したらこいうい性格になるかと若干の畏怖を抱いた。収拾がつかなくなる前に、ノイが咳払いをする。

「で、では帰すぞ」

 人間の姿をした影と、人間との奇妙な共同生活が始まった。各々元の場所へ返される。シュウとブーケはノイの伝言を届けるために、クルックとアンドロポフのいる村に来ていた。クルックたちが暮らしている家で一息ついているときに突然招集されたのだ。当然椅子は足りない。

「クルック、せっかくですからあなたのお手伝いをしても良いですか?」
「手伝い……?」
「はい。わたしもあなたと一緒に子供のお世話をさせてください」
「ヒポちゃん、どうする?」
「姉御ぉ、どうしましょう」

 ブーケとヒポポタマスはお互い困惑している。ちなみにブルードラゴンとフェニックスが同い歳、ヒポポタマスは二人より少し年上の紳士といったところか。人間に干渉しないと言ったノイがシュウをはじめ影使いに用事があると言うのだから、何事かと思えば影が人間の姿になったのだ。再び世界滅亡の危機なのかと身構えていたこともあり、謎の疲れがどっと押し寄せる。

「おいシュウ、なんとかしろ」
「お、オレがぁ!?」
「ブルードラゴン、今のあなたはシュウたちと同じなのですよ?」

 ブルードラゴンは不機嫌さを声音に乗せてシュウにぶつけた。シュウに無理難題を言うブルードラゴンの背後からフェニックスが一言物申す。フェニックスが笑顔で告げるのでなお恐ろしい。フェニックスの所作は優雅で、気品さえ感じ取れるはずなのに。アンドロポフがそういえば、と呟く。

「だったらしばらくここにいたらどうだ? おれはしばらくロギ様のところにいる予定だったし」
「アンドロポフ、本当によろしいですか? ブルードラゴンがいつ皆様にご迷惑かけるかヒヤヒヤしていたので」
「かけねーよ!」

 ブルードラゴンの強気な態度もフェニックスの前だと虚勢に見えてしまうのは気のせいか。フェニックスに逆らってはいけない、その場にいた者の考えが一致した瞬間だった。


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