アニメ版ブルードラゴン。未来捏造。
シュウ×ブーケ、アンドロポフ×クルック。
シュウ、アンドロポフ。
引き継ぐもの
ブーケの提案によりタタの村でシュウとブーケ、そしてアンドロポフとクルックのささやかな合同結婚式を行うことになった。規模はアンドロポフとクルックの意向を考慮して控えめに、ゲストは彼らに関わりがある一部の者だけだ。
シュウの祖父やシュウたちが旅に出る前によく遊んでいた子供たち、ジーロやマルマロはもちろん、ロギやコンラッドも参加することが決まっている。シュウたちのあずかり知らぬところでは、ノイも参加しようと企んでいるのだとか。
規模が小さいといえど、それでも普段のタタの村よりも賑やかになる。フーシラを筆頭に村人が総動員でお迎えの準備を進めていた。明日はついに本番だ。
「ブーケがわがまま言ってごめん」
「本当にな。お前のじいさんも追い出したような形になったし」
「じいちゃんは勝手に出ていっただけだし気にすんなって」
クルックとブーケがクルックの家、シュウとアンドロポフがシュウの家に泊まっている。これもブーケの意見だ。かつてのような敵対関係やすれ違いもなくなり、一時期会うたびにいがみ合っていたシュウとアンドロポフも落ち着いた雰囲気で話せるぐらいには親しくなった。
「アンドロポフ、クルックのことを頼む」
「言われなくても」
「あーえっと、昔クルックの両親にそう言われたんだ」
「そっか」
アンドロポフはシュウが言った言葉の意味を噛み締める。シュウとクルックの関係はこれからも変わらない。ただ、お互いに大切な人が出来た。その意味をシュウなりに考えていた。そして、シュウは昔クルックの両親に言われたことをアンドロポフにも伝える。アンドロポフが、クルックにとって大切な人だから。
「……重大な任務だな」
クルックの両親からシュウへ、そしてシュウからアンドロポフに想いは受け継がれていく。託す側も消えることのない、想いの連鎖。