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BleuCiel(別館)

気の赴くままに

【プリキュア×オリキャラ】瞳に映るものは【掌編集】

ふたりはプリキュアMH。本編後。
emoji閲覧注意物は別枠にて上げます。

以下ピクシブに載せていた説明文を流用。
オリキャラとプリキュアのキャラを絡ませてみただけ。
オリキャラの一人がプリキュアと似たような事をしていますが、オリキュアではないです。
以下簡単な説明。暫定の設定(苗字とか苗字とかry)も含まれています。
◆妖
ザケンナー等のプリキュアの相手とも違う存在。闇のものではないのでメップルやミップルのような妖精には察知されない。世界中どこにでもいる。人間に対して無害な妖は放置されるかwin-winの関係を築くが、人間に害をなす存在は妖を退治するもの達の出番になる。政府も絡んでいるんだとか。
メンタルが弱っている人が特に狙われやすい。+体質。プリキュアが住んでいる場所(活動範囲圏内)や妖精がいる場所には人を襲うタイプの妖は基本的にいないはずだった。
蒼空の親は妖を退治する集団をまとめている一人で、プリキュアの存在も察知しているが妖とは違う存在と戦っていることも把握している。が、余程の事がない限り基本的には不干渉を決めている。まれに妖を退治する役割を周囲に公表する人もいるが、大抵は自分から言わなくて自然と周囲にバレてしまう事がほとんど。
◆景藤 蒼空(かげふじ そら)
代々霊的な物の相談事を解決したり妖退治に赴く家柄。蒼空も才能があるらしい。後述する友人、妖以外のものの前では感情の起伏は控えめ。ひかりやひかるが人ならざる存在である事や妖精の存在を一発で見抜いた。帰宅部。
◆優月 桜(ゆうづき さくら)
大手企業のお嬢様。絵描きの才能がある。霊感はない。蒼空と涼仁は家族ぐるみでの長いお付き合い。美術部。
◆獅堂 涼仁(しどう りょうじ)
定食屋の次男坊。蒼空と喧嘩出来る貴重な人。若干だが霊感はある。ただし戦力にはならない。家庭科部(料理専門)。
蒼空、桜、涼仁は高一からベローネ学院に通う事になった。(個人の感想ですが中高一貫校の高校からってそこそこ学力があるような気がします)
◆灰(かい)
光の園育ちの妖。生みの親のような存在が光の園に託した。一応メップルミップル達とも面識有。プリキュアの存在は妖精の噂経由で知っている。光の園で育ったからなのか、蒼空が対処する妖には敵対視されることが多い。まだ幼く、人間(特に蒼空)の頭の上に乗るのが好き。昼休憩には弁当を虎視眈々と狙っている。

ざっくりクラス分け(女子のみ記載)
なぎほの志穂蒼空/莉奈ユリコ桜



 (オリキャラ,なぎさ,ほのか)


「(癖の強い学校ね)」
 蒼空は目を細めた。目の前には橙色に近い明るい茶髪の生徒と、長髪の生徒が一緒に登校している。一部の生徒が茶髪の生徒に対して黄色い声を上げた。
 蒼空の視線は、二人の鞄についているお揃いのポーチだ。蒼空の友人は彼女の反応にほほ笑みながら首をかしげる。
「蒼空ちゃん、面白いもの見つけた?」
「退屈はしないと思う。涼仁のやつ、ひとりで行動できてるかな」
「涼仁君なら大丈夫よ。私たちも行きましょう」
 二人は真新しい制服とともにはじめましての学校を歩く。彼女たちはベローネ学院にしては珍しい高等部から通い始める生徒だった。

 入学してから数日が経つ。蒼空と友人の桜は別のクラスになった。彼女たちはもうひとりの友人、涼仁と合流してお昼ご飯を食べることが多い。
 例のポーチをつけている生徒は蒼空と同じクラスだった。ときどき会話をするものの、仲は発展しない。蒼空と同じクラスにいる単語を連呼したがる人と、桜のクラスメイトである背の高い生徒の四人で過ごすことが多いからだ。
 今日も今日とて三人は屋上でお弁当を広げる。先日は高校一年生向けの部活勧誘が行われ、自然と部活の話題になる。
「私は美術部に入るつもり」
「あたしはパス。そもそも家の手伝いもあるし」
「蒼空ちゃんはそうよね。お父様が引き続きよろしくお願いいたしますっておっしゃってたわ」
 ほかにはどこの部活の勧誘が凄かったとか、どの先輩がイケてたかとか、取り留めのない話だ。
 そんな輪を乱す灰色に黄色のまだら模様が特徴てきなイタチのような生き物が蒼空の頭の上に乗る。
『そのご飯美味しそうー』
「「「…………」」」
 三人は固まる。謎の生き物は尻尾を振った。風が蒼空の髪の毛をなびかせる。
『えっもしかしてくれるの? ありがとう!』
「いやあげないから! 父さんか母さんの新しい相方!?」
『へっ?』
『いたメポー!』
「ちょっとメップル!」
「(本当、退屈しないわー……)」
 メップルが妖精の姿で蒼空たちの前に現れた。イタチのような生き物の気配を察知して屋上まで来た。メップルのあとに続いてなぎさも姿を見せる。まさかクラスメイトがいるとは思わずメップルの存在をどうごまかそうと慣れない脳をフル活用していた。
 蒼空はイタチのような生き物に取られる前に弁当を食べきる。それは頭の上で暴れるが、空の弁当箱をしまった蒼空はそれを抱っこした。
「気にしないで。そういうの耐性あるから」
「蒼空の説明あいっかわらずざっくりだな!」
「何? 午後の授業サボるつもり?」
 ここでほのかも姿を見せる。ミップルは妖精の姿にならずに、ほのかに妙な気配がすることを伝えていた。
「まぁまぁ二人とも。はじめまして、優月桜と申します」
 喧嘩をしそうな蒼空と涼仁をなだめながら、桜は動揺する二人の生徒に自己紹介をする。
「雪城ほのかです」
「え? み、美墨なぎさです?」
『プリキュアだー! すごーい!』
『おとなしくするメポ!』
「ありえない……」
 なぎさは頭を抱える。無邪気に目を輝かせるイタチのような生き物に、ポルンやルルンを思い出した。あまりにも幼い。
「ねぇ、そもそも名前は? あと教室に一緒にいる訳にもいかないから」
『ボクは灰(かい)! えっとね、移動するときはこれになれるよ!』
 そう言って灰は灰色と黄色がまだら模様になっている勾玉となる。灰は誰にでも見える訳ではない。それでも、保険として擬態する手段は必要だった。
 怒涛の昼休憩も過ぎていく。なぎさとほのかは昼休憩が終わるまで蒼空たちと一緒にいた。なぎさたちの家族や親しい友人にすら隠してきた事実をひょんなことから交流があまりない同級生に妖精の存在がバレてしまった。
 灰は勾玉の形態のままでいるが、直前にはプリキュアという単語も発している。蒼空たちは深入りしなかった。
 * * *
 蒼空たちが高校生になりしばらく経った。灰という相棒を迎えた蒼空はひとりで下校する。幼馴染でともにベローネ学院高等部に通っている桜も涼仁もそれぞれの用事があり、一緒にいない。
「(何かある、けどトリガーが分からない)」
 人の気配がない裏路地に妖の気配を感じた蒼空は記憶だけしてその場を去った。
 それから時間は過ぎて部活終わりのなぎさたちが同じところを通る。なんの変哲もない帰り道のはずだった。
「(……誰かいるの?)」
「なぎさ、知り合いでもいた?」
「早く早く早くー!」
「ちょっと待ってよー!」
 なぎさのなかに芽生えた違和感はすぐに消えた。三人は会話をしながら帰路に就く。
 二日目、三日目と同じ所を通るたびになぎさは何者かの視線を感じていた。しかしメップル曰く闇の気配はない。この日は誰も予定が合わずにひとりで帰っていた。
「やっぱり、誰かいる?」
『知り合いメポ?』
「分かんない」
 周囲を確認しつつメップルと話すなぎさは裏路地に誘われるように入っていく。上で灰が監視しているとも知らずに。
『……て』
「分かっ、」
「油断も隙もない」
「景藤さん? なんで?」
 なぎさは首を傾げる。普段の彼女なら悲鳴を上げて逃げ出しそうだが、まるで友人と一緒にいるかのようなテンションだった。蒼空はなぎさをつれて逝こうとした妖の姿を視認する。人型の妖は長い髪の毛を地面に這わす。
「灰、なんとかできるでしょ? 美墨さんはあたしと一緒に」
「でも、誰かが、」
「罠よ」
 なぎさは意地でも動かないつもりだ。彼女の足には妖の髪の毛が絡みついていた。蒼空は舌打ちをする。
「(厄介ね)」
『なぎさ〜もうちょっと離れて〜』
 灰の訴えもなぎさの耳には届かない。蒼空はポケットから札を取り出す。妖を退治するときに使う札だ。その札をなぎさの足に貼りつける。
「痛っ」
『!!』
 なぎさと妖のつながりが絶たれる。灰は妖に体当たりした。妖はよろめく。蒼空は新しい札を妖に向かって投げる。妖は生者に手を伸ばすが、その手は空を切り消滅した。
「これで分かった?」
「……ありえない」
「美墨さん、この手はてんで駄目なのね」
 蒼空は遠くを見た。人の感情の隙間に入り込んで取り込む妖がいる。人に害を与える妖を退治するのが蒼空の仕事だった。なぎさのように吸い寄せられるようにその場所に行き、そのまま取り込まれてしまうこともある。
 なぎさの血の気が引く。プリキュアのときとは違う感覚に混乱していた。蒼空はなぎさと一緒に日の当たる場所まで出る。
「今日あったことは忘れて」
「う、うん」
 二人の間に気まずい時間が流れる。ここまで長い時間一緒にいるのは初めてだった。蒼空は多くを語るほうではないし、プリキュアバレをしたもののなぎさは蒼空との距離感を測りかねている。そんな空気をすべて無視してふわふわの毛がなぎさの頭上に着地した。
『なぎさが無事で良かった~! ボク凄かった? 凄かったでしょ!』
「景藤さんも灰もありがとう」
「それが仕事だから。近くまで送るわ」
 灰が緩衝材となり、空気が変わる。なぎさは周りをちらちらと見た。
「もういないよね?」
「上にはいるけど。灰、そろそろ戻って」
『蒼空ひどい!』
 灰は蒼空の冗談に涙目になりながら勾玉の姿になる。いつも見るマンションの姿になぎさは心底安心する。家では母親が娘の帰りを待っているだろう。蒼空を見るなぎさは学校にいるときの表情に戻る。
「本当にありがとう。ここのマンションだからもう大丈夫。また明日ね!」
「……また明日」
 蒼空は口角を上げた。なぎさのことをほとんど知らないが、短い間で周囲を巻き込む不思議な力があるのは察していた。それはプリキュアの能力とは関係なく、なぎさ自身の力。



 (なぎさ,藤村)


 浴衣姿の知らない女の子がわたしを呼んでいる。もう、藤P先輩といいところだったのに。少しの羞恥心を抱えて茂みのなかに入る。
「ちょっと待ってよ!」
『こっち』
「分かったから! この格好走りにくい……」
 そういえばメップルの声が聞こえない。そばにいるのに。聞こえるのは女の子の声と木々のざわめき、それにわたしの下駄の音。
 会場とずいぶん離れてしまった。花火も終わったし出店は後片付けに入るところが多い時間帯に入る。
「やっと追いついた……。ねえ、どうしたの……?」
 息を整えつつ女の子に聞く。女の子はわたしの手を掴む。その手は冷たかった。わたしは顔を強ばらせる。関わってはいけない何かと関わってしまった。
「(ヤバ)」
『ママが待ってる』
「……うん」
 女の子の後ろにお母さんらしき女の人が立っていた。二人ともがいい笑顔でわたしを呼ぶもんだから断れない。わたしが一歩を踏み出したとき、空いている手が温かくなる。ただ、力が入っていてちょっと痛い。
「美墨さん!!」
「先輩? どうして?」
「それはこっちのセリフ!」
 目の前から女の子が消える。肌に触れる冷たい感覚もない。あまりにも先輩が必死な顔をしているので、何気なく足もとを見る。
「!!」
 一歩先は崖だった。当たり所が悪ければ命を落としかねない。後ずさると小石が崖下に落ちる。わたしも石ころのようになっていたのかもしれない。
『どうして来てくれないの?』
 崖の先に浮いている親子は悲しそうな顔を浮かべる。先輩には見えていないんだろうな。わたしは立ちすくむ。
「あなたたち、何が言いたいの?」
「美墨さんっ」
 藤P先輩に抱きしめられる。あの親子に呼ばれてこんなところまで来てしまった。
「みんなのところに戻ろう」
「……はい」
「気になることでもある?」
「な、なんでもないです。先輩、戻りましょう!」
 あとで景藤さんに連絡しよう。今日に限っていないっていう。一瞬だけ後ろを振り返ると、あの親子は姿を消していた。


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