アニポケ。DP中ハルカジョウト一人旅。
シュウ、ハルカ。
第二楽章
ハルカはライバルだ。今の僕がスランプ中のハルカに対して出来ることはないに等しい。今までなら一緒に旅をしていた人たちが彼女を支えていた。僕はあの人たちになれない。思えば彼女がどんな旅路を歩んだのか、詳しく知らない。今まではそれで良かった。僕はライバルとして、彼女と共に高みを目指す。そうしてここまで来た。
「(『大丈夫』、か)」
それとなく聞いてみたときの返答は、わずかな拒絶を含んでいた。ハルカが普段語尾につける口癖を言わず、彼女にしては珍しく冷たい響きで、そのときはそれ以上何も言えなかった。僕たちはライバルだから。僕の出る幕は今ではない。でも、
「(ハルカがこのまま消えていくのは嫌だ)」
せめてハルカが一人旅に慣れるまで、仲間として彼女と接することは許されるだろうか。あの人たちのように一緒に旅をすることはない。それでも、僕は彼女を支えたい。僕なりに歩み寄った方法で。