人造昆虫カブトボーグV×V。
勝治視点。
それは叶わぬ願いになったけれど
「(――飽きたなぁ)」
さすがに何回も入院をしていると、室内で出来ることもやり尽くしてしまう。素振りをしたい。それは叶わぬ願い。
「死神だ」
病院だと死神を見かける回数が段違いに多い。あのときの死神には再会出来ていないけれど、担当地区とかあるのだろうか。ヒナーノのときのようにボーグバトルを仕掛けたりはしない。残念ながら、そう何度も命を懸けるほどお人好しではない。ぼくだってこれでもまだ生きていたい。
自分の体は時間が解決してくれる問題だと思っていた。いつの日か通院することもなくなって、みんなと同じように生活出来て。なんの心配もなくボーグバトルをすることが出来るんだって、そう信じていた。
でも、現実は非情だ。ぼくの体は一向に良くはなっていない。ほかの人より体が弱いのは変わらないまま、着実に時間だけが過ぎていく。きっと治療方法なんてない、いつからか嫌でも察するようになった。
「(ボーグバトルしたい……)」
いつまで生きられるか分からないのなら、動けるときに思う存分好きなことをやりたい。ロイドさんのお店でリュウセイくんやケンと駄弁って、ときどき食べる美味しくない料理に文句を言って、ボーグバトルをする。
「お仕事ご苦労様」
小声で死神を労う。次邂逅する機会があったら、どんなわがままを言おうか。